今回は機械設計エンジニア歴8年で現役でメーカーで機械設計をしている僕が未経験から機械設計エンジニアになる方法を考えました。
最初に言いますと未経験から転職で機械設計をするのはかなり難しい印象です。
大手では新卒でも機械系の学科を卒業していないとかなり採用されにくいのが現実です。
しかし、戦略を立てて行動していけば完全未経験からのスタートでも十分通用する世界だと思います。
この記事ではこんな疑問やお悩みにお答えします。
- 未経験から機械設計の仕事はできませんか?
- 機械設計をしたいけど何から始めればいいの?
結論から言うと昨今は機械設計エンジニアが不足していてどんな会社でも機械設計ができる人材を求めています。
未経験から転職して機械設計をするというハードルも近年下がっているのでチャンスです。
では詳しく見ていきましょう
機械設計者に求められるスキル
一般的に機械設計には以下のようなスキルが求められます。
- 機械工学に関する知識
- CAD等の設計支援ツールの操作スキル
- 課題解決力
- コミュニケーション能力
- ものづくりの経験
機械設計の仕事では、機械の構造や原理、材料特性、熱力学、流体力学などの知識が必要です。正直、分野によっては材料力学しか使わないなんてことも多いです。
CADソフトは、機械部品の設計や図面や3Dモデル作成に必要なソフトでCADソフトの操作スキルは、機械設計の仕事に欠かせません。
機械設計の仕事では、お客さんからの要求仕様を満たすために、難題を解決したりする必要があります。そのため、設計では問題解決能力が求められます。
意外に設計の仕事では、コミュニケーション能力が非常に重要です。ものづくりには他のエンジニアや営業担当者、製造担当者などとの連絡や根回しが不可欠だからです。
一番求められるのが実務経験です。
机上の理論ではなく実際に自分で設計して苦労して作り上げた経験が市場では最も評価されます。
片っ端から応募する
未経験からの機械設計の仕事をするのは難しいですが、不可能ということではありません。
手っ取り早く最短で機械設計の仕事がしたいならまずは片っ端から機械設計の仕事に応募してみてください。
人手不足の世の中ですので、未経験でもどこかには引っかかる可能性はあります。
第二新卒だったり、理系方だったりといった強みのある方はそれだけで採用される可能性は高いと思います。
機械設計の中でもメーカーの開発職ではなく、生産技術の設備設計のように少しずれせば採用の可能性は上がるはずです。
大手ではなく、さらに機械メーカーでなく、食品や化学メーカーなどの方がハードルは下がるでしょう。
教育に力を入れている機械系の派遣会社も狙い目です。
中小企業ではそもそも機械の部門に機械の学科を卒業した人がいないような会社もあります。
やり方次第ですね。
未経験にも関わらず採用されたのであれば、その会社で教えてもらいながら機械設計の仕事ができます。
ただし、最初は雑用とか製図補助とか現場作業がメインになると思うのでその辺は確認しておきましょう。
数年は働けそうな会社に就職してしまえば、そこで設計経験を積んでより条件の良い会社に転職することもできます。
超ブラック企業で体を壊したり精神的に病んでしまう可能性もあるので適当な会社に就職するのはおすすめはしません。
口コミサイトやエージェントを利用して情報を集めましょう。
大手でも人手不足なので運よく機械設計ができる優良企業にも採用してもらえる可能性もあります。
派遣会社に登録しCADオペレーターからスタート
今では機械設計ではほぼ2DCADか3DCADを使用します。
このCADというソフトは機械や建築の設計支援ツールなので設計をしたり学生時代に機械や建築を専攻しない限り日常生活で触れることがあるような物ではありません。(まれに趣味で使っている人はいます)
だからCADが使用できるというだけでCADオペレーターという仕事ができます。
設計ができないのにCADを使ってモデリングなんかできるの?と疑問に思った方もいらっしゃるでしょうが、結論から言うとできます。
CADオペレーターとは設計者が設計した物をCADで3次元モデルを描いたり、2次元図面を描いたりする仕事です。
CADオペレーターは設計経験がなくともCADの操作さえできれば仕事としてできます。
設計者からこんな図面を書いてほしいとかこんな形のものをモデリングしてほしいとか指示があり、その指示通りになるようにCADを操作すればいいんです。
私も会社で設計経験のないパートの女性にモデリングや2DCADでの図面修正をお願いしています。
CADオペレーターをしていると作業の中で図面の読み方を覚えたり、機械加工のことを覚えたりすることができます。
中小企業では人手が足りないのでCADオペレーターさんにお願いして少しだけ設計をしてもらうようなこともあります。
意欲的に設計にも関わりたいことをアピールすれば機械設計の仕事にも関わらせてもらえる可能性は高いです。
そして機械設計の仕事をしたらもう未経験ではありません。機械設計者を名乗れます!
CAD操作の学習方法
そんなCADをどうやって覚えるのかは気になるところだと思います。
CADを覚えるための手段を解説します。
ちなみに覚えなくてもCADぐらいであれば入社してから研修で教えてくれる派遣会社さんなどもあります。
特に3DCADは今後の機械設計にはなくてはならないものになっていきますので機械設計をするなら覚えて損はありません。
3DCADについてはこちらの記事を参考にどうぞ!
無料ソフトを使って独学する
興味はあるが自分に合っているかわからないし続けられるか不安という方向けのプランです。
まずはお金をかけずスモールスタートしましょう。
最近では無料のCADソフトがたくさんあります。
特にFusion360というソフトはCADとしてのクオリティーが高く、書籍やYouTubeなどで情報も多く出回っているので入門としておすすめです。
Fusion360については以下の記事をどうぞ!
ただしCAD操作はCADソフトによって癖がありますのでどれかを覚えれば他のCADソフトも使いこなせるという物ではありません。
しかし、基本的な考え方は共通している部分が多々あるのでどれかソフトを一つ使いこなせるようになれば他のCADソフトもすぐに使えるようになります。
職業訓練校に通う
独学は苦手という方は職業訓練校を利用するのも選択肢の1つです。
CADの操作方法を重点的に学ぶこともできますし、機械設計も少しかじることができます。
就職支援もありますので機械設計がしたいと強い思いがある方は検討する価値があります。
就職支援の求人は大した待遇の企業はない印象ですが、先ほども述べたように機械設計は人手不足なので、ある程度経験を積めば待遇を上げる転職は十分可能です。
趣味で設計する
仕事として機械設計をするのではなく趣味として機械設計をするプランです。
3DCADがあるので好きに物をモデリングすることができます。モデリングした部品を組み合わせて複雑なものを作ることができます。
最近ではネットで色々なメカ部品が購入できますし、3Dプリンタを活用して自分で作った3Dデータのモデルを作ることもできます。
精度を妥協すればギヤなどの機械要素部品も作成することができます。
このへんで満足できるのであれば本業は他の仕事をして副業で3Dモデラーなどをするのもいいと思います。
YouTubeで稼いでいらっしゃるような方も見かけます。
まとめ
昨今は機械設計エンジニアが不足していてどんな会社でも機械設計ができる人材を求めています。
戦略を立てて転職活動したり、CAD操作の習得からスキルアップしていけば未経験からでも機械設計の仕事で食べていくことは十分可能です。
機械設計がしたい方は参考にどうぞ!