今回はコグネックス製のカメラ(InSight-8000)と安川製ロボットコントローラ(YRC1000)をつなぐ方法の紹介です。
この記事はこんな人のために書きました。
- YRC1000に対応するカメラを探している
- 安いカメラを探している
- ロボットからカメラを動作させたい
- ロボットやカメラに不慣れ
安川電機さんのロボットコントローラYRC1000とコグネックスさんのカメラを別々に購入した場合、ロボットとカメラを直接通信することはできません。
あくまで並の立場からの見解です。カメラやロボットの専門の方であればできるのかもしれません。
安川電機さんのロボットコントローラYRC1000とコグネックスさんのカメラの組み合わせで使いたい場合、考えられる手段は以下の3つです。
- PLCを利用する
- 安川から販売されているMotosightを購入する
- 自社でロボットとカメラ間の通信プログラムをつくる
では以下で詳細に解説します。
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背景
僕の会社では安川電機さんのロボットYRC1000を導入しています。
カメラは今までキーエンスさんのものを使ってきました。
ただ、キーエンスさんのカメラは使い勝手がいいのですが、お値段が貼ります。
そこで少しお安いコグネックスさんのカメラを購入しました。ちなみに購入したり選定したのは別の方です。
その時立ち会っていないのですが、商社の方に聞いた話ではロボットとカメラ間で直接接続してやりとり可能だという話だったそうです。
安川さんやコグネックスさんに確認しましたが、結論としては直接は繋げませんと言うことです。
メーカーへの調査結果
イーサネット接続をしようにもロボット、カメラどちらもサーバー側機能しかもっておらず、クライアント機能がありません。
PLC前提と言うことですね。
ちなみにロボットとカメラ間の通信プログラムも安川さんもコグネックスさんも用意していません。(2021年4月現在)
キーエンスさんとオムロンさんは安川製のロボットとの通信プログラムを用意しています。
独自のソフトを開発し、通信機能を組み込んだりすれば可能かと思いますがかなり難易度は高いです。
例えYRC1000にオプション機能でイーサネット接続やシリアル通信接続、ビジョン機能がついていてもカメラと直接は接続できません。
余談ですが、RC232のポートは標準で付いていますが、シリアル接続するには、ロボット側には有償オプションの「データ伝送機能」が必要になります。
有償オプションのデータ伝送機能は技術員さんの派遣を依頼することで後付けでも対応してもらえます。
コグネックス製のカメラと安川製のロボットをコグネックス製のIOモジュール経由でシリアル通信で繋ぐMotoman通信という機能がありますがYRCには対応していません。
メーカーは自社製品のこと以外はっきりと言えない
当たり前ですが、ロボットメーカーはカメラを作っていませんし、カメラメーカーはロボットを作っていません。
なので、お互いのことはよくわからないんです。
ロボット側の通信設定の詳しいことや設計思想はカメラ側は知りません。
カメラ側の設計思想や通信設定はロボット側にはわかりません。
ロボットもカメラも世の中には多数の種類があります。
設計思想が異なる各メーカ同士、全て相互に対応することは現実的ではありませんよね。
だから基本はPLCで操作します。PLCは産業用機器を制御するためのPCのようなものです。
基本的に各種装置もPLCでならコントロールできるように設計してあります。
そのPLCで制御できるように各メーカーは機器を設計しています。それ以外のことはわからないと思った方がいいです。
各メーカーに聞いてもわからないのでたらい回しにされるだけです。
YRC1000とInSight8000の接続方法
YRC1000とInSight8000の接続方法は以下になります。
- PLCを利用する
- 安川から販売されているMotosightを購入する
- 自社でロボットとカメラ間の通信プログラムをつくる
ちなみにですがInsightシリーズは三菱用に改変したものが三菱電機さんからも出ています。
では以下詳細に見ていきましょう。
PLCを利用する
これが王道ですね。PLCを用意する必要はありますが確実です。
カメラとPLCの接続はカメラ側にマニュアルがあります。
特に三菱電機のPLCと親和性が高いです。
ロボットとはCC-Link(オプション)で接続可能です。イーサネットでも接続可能かもしれません。
MotoSightを購入する
安川電機さんからコグネックスのカメラとロボットを接続したパッケージでMotoSightと言うものが販売されています。
こちらを購入すればロボットからカメラを制御することができます。
安川さんから販売されているのでサポートも受けやすいはずです。
ただ、安川さんの代理店さんはどちらかというとカメラはキーエンスさんを推していますね。
自社でロボットとカメラ間の通信プログラムをつくる
これは正直僕には想像つきません。
Motoplusとかのアプリで通信ソフトが自社開発できるそうです。
通信ソフトを作れたとしてもまだまだ課題が潜んでいるような気がします。
まとめ
安川のロボットからカメラを制御したい場合、合わせるカメラはキーエンス製のカメラが無難です。
値段が気になるのであればMotoSightもお見積もりしてみてはいかがでしょうか。
特殊な使い方をしないのであればカメラ自体の性能はコグネックスさんもキーエンスさんも大きく変わりません。
サポートは断然キーエンスさんですね。
PLC経由でロボットとカメラをつなぐのであれば、PLCの費用はかさみますが、カメラの選択肢は増えますし拡張性も広がります。
予算とやりたいことのバランスをみて検討してみてください!