最近、アルミフレームを使って組み立てられた装置を見る機会が前よりも多くなってました。
展示会ではよく見かけますよね。
僕も装置架台やロボットの安全柵でよく使うのですが、アルミフレームは便利です。
アルミフレームを使うことで軽量化できたり、分解できたりするので設計の幅も広がります。
今回はこんな疑問にお答えする記事を作成しました。
・アルミフレームってなに?
・アルミフレームのメリットってなに?
・アルミフレームって弱そうで信頼できない
結論から言うとこうなります!
- アルミフレームは鉄やステンレスの代わりに使える可能性がある
- 分解できるので調整や交換がしやすい
- 納期もコストも抑えることができる
- 今後も使用は増えていく
では見ていきましょう!
アルミフレームとは
引用元:エヌアイシ・オートテック公式HP https://www.nic-inc.co.jp
アルミフレームとは名前の通りアルミでできたフレームです。
形はさまざまでかなりバリエーションがあります。
アルミは鉄系の金属と比較すると1/3ほど軽く、ヤング率も1/3ほどになります。
ステンレスに比べてコストも安い素材です。
特徴的なのは断面ですね。
四角形の棒材をそのまま使うのではなく、くり抜いて軽量化してあります。
軽量化しつつも断面係数が高くなる形状にすることで強度を確保しているんです。
鉄やステンレスに比べて素材としての強度は落ちますが、場所によっては鉄やステンレスの代替部品として使用することができます。
よく見るのはミスミのアルミフレームです。
もちろん他にもアルミフレームメーカーはあります。
僕が知っている範囲だとイマオコーポレーションやNICオートテック、SUSなど。
アルミフレームは各社、強度や周辺部材に微妙に違いがあります。
他にもNICオートテックさんやmiwaさんのような組み立てだけではなく据付までお願いできるメーカーもあります。
ちなみにミスミは組立まではやってくれますが現地での据付はしていません。
アルミフレームのメリット
アルミフレームのメリットはこんなことが挙げられます。
- ステンレスなどに比べて安い
- 他の金属に比べて軽い
- 鋼材のような大量生産なので納期が短い
- ネジ止めのみで組み立てられるので慣れれば誰でもできる
- 溶接しないので分解して調整したり運んだりできる
- 組み合わせで変更が簡単
- 追加工が簡単
他にもありますが僕は特に以下の部分が気に入っています。
ネジ止めのみで組み立てられるので誰でもできる
組み立てに溶接などの特殊な技能が必要ありません。
部品数が多いので素人の方には難しいですが、組み立てに慣れれば誰でもできます。新入社員やパートさんでも組み立てることができます。
この組み立ての容易さのおかげで、短納期に対応できるのだと思います。
誰でもできるといっても適当に組むとガタガタしたり、斜めに傾いたりするので組み立てにもネジの締め付け順や水平の取り方など勘所はあります。
組み合わせの変更が容易
例えば装置の架台をアルミフレームで作った後に何らかの事情があり100mmほど高くする必要が出たとします。
溶接した架台なら作り直しになるためそこそこのコストと時間がかかります。
アルミフレームであれば高さに関係している部分の部品の交換で済みます。
単純な架台であれば数千円の部品代と数時間の組み直しで済みます。
検証段階や仕様が決まっていない中の設計では重宝します。
追加工が簡単
アルミなので追加工が簡単です。
切って長さを変更したり穴を開けたリスクぐらいであればすぐにできます。
他の金属では加工が難しいですがアルミであれば比較的に簡単です。
慣れれば穴あけぐらいであればボール盤などを使わなくてもハンドドリルでもできます。
SUS304とかに比べると一瞬ですね!
アルミフレームの使い方
アルミフレームの使い方はアルミフレームの販売サイトやメーカーのサイトに詳しく記載があります。
基本的にフレームの溝にT型ナットを入れて好きな位置に合わせてブラケットでフレームを繋げていきます。
ナットやブラケットの種類は豊富なので一度各社サイトの製品一覧を眺めてみるのがおすすめです。
こんな部品あるんだなと非常に勉強になります。
アルミフレームの使用場所
アルミフレームは色々なところで使われています。
装置メーカーさんに設備設計を依頼すると装置の架台やフレーム部分にはアルミフレームが使われていることが多いです。
ロボットの架台やクリーンルームなどの個室のようなもの制作可能です。
表面処理もあり腐食にも強く、水がかかるような場所でも使用が可能です。
ただし、水のかかる場所はステンレスなどのネジナットを締結に使用している場合は電蝕に要注意です!
NICオートテックさんのフレームはクリアコートをしているので他のメーカーより腐食にも強いです!
鉄に比べ腐食にも強いですが、薬品を使用する場所にも向いていません。
また表面処理で表面の硬度は上げれても材質そのものは柔らかいので強度の必要な部分には注意が必要です。
特に摺動性が必要な部分には使わない方が無難でしょう。
アルミフレームの今後
僕はアルミフレームはこれからもどんどん使われていくようになると考えています。
最近では自動化やロボット化の開発が盛んに行われています。その流れはこれからも早くなっていくでしょう。装置の入れ替えが速くなったり、コスト削減が必要になります。
納期も短く調整もしやすいアルミフレームであれば設計に柔軟に対応することができます。
接合はネジなので溶接は不要です。分解した状態で運搬し、現場で組み立てるようなこともできます。
個人でも組み立てることができますし、やり方次第ではアルミフレームの架台設計などでフリーランスとして独立することもできると思います。
アルミニウムはリサイクル率も高く、低コストでリサイクルすることができるので環境にも優しい素材です。
まとめ
アルミフレームにはこんなメリットがあります。
- ステンレスなどに比べて安い
- 他の金属に比べて軽い
- 鋼材のような大量生産なので納期が短い
- ネジ止めのみで組み立てられるので慣れれば誰でもできる
- 溶接しないので分解して調整したり運んだりできる
- 組み合わせで変更が簡単
- 追加工が簡単
アルミフレームを使うことができれば設計の幅を広げることができるので非常におすすめです!